I-LAND 君だけの光と声を

アドベント・カレンダー3日目です

こんにちは。はじめまして、南極先生です。はとさん(@810ibara)のアドベント・カレンダー2つめ、12/3の記事を担当します。

恐れ多いことに、昨年に引き続きの参加です。昨年はNetflixオリジナルオーディション番組「リズムアンドフロー」とDSMOKEの話をしていました。

 今年もまた、大好きな人の話をします。アドベント・カレンダーを開けながらクリスマスの朝を待つように、待ち続けている推しのお話です。

 変わらなかったこと2020

今年のテーマ、「変わったこと/変わらなかったこと」ですが、まず変わらなかったことは「またオーディション番組見てる!」ことです。変わったことは後述します。

わたしがこの夏夢中になったI-LANDは、6~9月の間放映されていた、韓国発サバイバルオーディション番組です。参加者であるアイドル練習生は、世界中から集まった青少年23人。全12回の放送を経て、7人のデビューメンバーを選び出します。

 

説明不要の最強アイドルBTSを擁し、韓国のアイドル事務所でトップのBigHItと「プロデュース101」シリーズのCJが、番組構想3年、施設総工費20億円をかけたプログラムです。20億。ちょっとよく分からないので調べてみました。総工費20億円をかけると、千葉県にある某シンデレラ城が築城できるようです。ワォ!ファンタズミックここでわたしの150日を変える出会いが待っていました。


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into the I-LANDすること

まずは、I-LANDはヤバイという話をしたいです。 メチャ面白いのと同じくらいの地獄みもあるのですが、抗えない中毒性がありました。ほんの一部をご紹介します。(ネタバレ要素ありです。ご注意ください。)

 

まずは総工費20億円のI-LANDを覗いてみましょう。すべてのセットが映画のようです。


[MV] I-LAND _ Into the I-LAND (applicants ver.)

みどころ:曲はシグナルソングの「into the I-LAND」、キラキラとした出会いの曲です。RAINとZICOがゲストプロデューサーで参加しています。

 

I-LANDは「アイランド」と「グラウンド」というグループ分けでスタートします。2つには明らかな格差があり、まずは全員が「アイランド」を目指します。

「アイランド」と「グラウンド」を振り分ける「入場テスト」を経て「アイランド」に足を踏み入れた16人。まず目に入るのは、残り時間をカウントダウンする不気味な卵(超巨大)です。一方別の階には、日の光が差し込むリビングルーム、インスタント食品で満たされたパントリー、ふかふかのベッドが並ぶ生活スペース。無邪気に走り回る爽やかなアイドル練習生の「天国みたい!」「ずっとここにいたいな…」そんなはしゃぎ声が聞こえてきます。

待って。

漂うディストピア感をキャッチしました。

なんだか萩尾望都先生の名作「11人いる!」のようです。I-LANDはまるで漂流する宇宙船白号。もちろん「11人いる!」はディストピアジャンルではありませんが、I-LANDはSFとの親和性も高めです。

11人いる! (小学館文庫)

11人いる! (小学館文庫)

 

 クロレラ人造人間のガンガが好きです)

 

<23人いる!I-LANDの参加者>
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作りこまれた世界観、韓国のオーディション番組のなかでもダントツの話の早さです。

歌やダンスのパフォーマンス以外の物語性も高いので、初回放送後すぐに島民となり、金曜23時(放送日)のことだけを24時間考える生活がはじまりました。

 

・選び選ばれること

I-LANDは、練習生が様々な選択を通して成長します。前半であるパート1とデビュー組7人が選ばれるパート2で選択の視点が変わります。ここにこそI-LANDの面白さと中毒性があります。わたしが最も心を乱された部分をまとめました。

 

パート1:自分の役割を選ぶ・理想のメンバーを選ぶ

初回放送で先制パンチをお見舞いされます。「入場テスト」です。

初めて23人が集まったステージ、突然少人数のグループパフォーマンスが始まります。概要はこう。パフォーマンスの順番は自分たちで決めよ!1組終わったら、対象1人に対して全員が挙手で合否をジャッジ!半数以上の手が上がれば「アイランド」にIN!入れなかった場合どうなるかは教えない!あまりの唐突感にザワつく練習生たちです。プロデューサーも別室でモニタリングするのですが、評価には関わりません。練習生が自分の思う「カッコイイ」「実力がある」という基準でふるいにかけます。明らかに周りの様子を伺いながらおずおずと手を上げ下げする様子に、「この番組、大丈夫でしょうか…?」と、見ているこちらも不安になります。この挙手式の入場テストはその後に続く布石でした。

パート1は自分で役割を決め、理想のメンバーを選ぶところにドラマがあります。

歌やダンスの上手さ、人間性、リーダーシップ、もともと持っているスキルの数が多いほど練習生同士の評価は高くなります。

パート1はすべてを自分の感覚で選べばよいのです。これがパート2では一転します。

 

パート2:評価されるメンバーを選ぶ・評価されるチームを作る

パート2は視聴者投票で10人が脱落するところから始まります。デビューメンバー7人が決まる、最後の戦いです。

 

パート2では練習生同士の降格投票がなくなります。毎回順位づけがされ、ベッドや椅子にも現在順位が掲示される、順位に統制された世界が始まります。

順位はプロデューサー評価と視聴者からの人気投票で決まるので、練習生の視点もそちらにシフトしていきます。自分の感覚を超えた、評価軸(プロデューサー評価・視聴者人気)を意識する視点への変化です。パート1では歌やダンスの能力で並んだ練習生の序列も、プロデューサー評価と視聴者投票では簡単に覆ります。このあたりから存在感を増してくるプロデューサーの「成長の可能性」という言葉を上手く飲み込めるかで、視聴者的天国と地獄が分かれます。

わたしは早々にプロデューサーとの解釈違いが発生したため、あえなく地獄行きでした。行先が地獄の場合、パート2で生まれる数々のドラマは涙と憂鬱の釜茹で地獄です。脱落者が出るたびに自分も視聴を脱落しそうになるのですが、熱々の釜の淵にへばりつき、ぐっと堪えます。さらに突然順位通りに脱落しない「脱落免除権」なる燃料も投下されるので、いつでも釜上げ、スタンバイ。輪廻転生、生まれ変わったらプロデューサーとそりが合う生を送りたい…?いや、曲げたくないものもあります。

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心象風景:自分の見た光を信じたい

 

それでも、練習生たちの進化と成長にはほんとうに心を動かされます。I-LANDで練習生が過ごした時間は113日間。ステイホームを余儀なくされた今年の夏、わたしもI-LANDで全て感情を味わったのだと思います。

プロデューサーとの解釈違いで苦しい思いも沢山したけど、練習生たちは全員間違いなく最高に輝いていました。ENHYPENとしてデビューした7人、本当におめでとう!


[I-LAND/최종회] 모두, 함께 아이랜드로 ♬Into the I-LAND Final Ver. 200918 EP.12

 みどころ:再びのシグナルソング「into the I-LAND」です。最終回、参加者全員で行う最初で最後のパフォーマンスでした。全員「アイドル」としての成長と輝きが凄い。自分だけの光を見せるためにここに来たんだね…!と強く思わされます。

 

ここから推しの話

もちろんのこと、わたしにも猛烈な推しがいました。推し、ゴヌくん(19)です。

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・「完成のハニーボイス」ーそして踊れる

ゴヌくんの番組公式キャッチフレーズがこちら、「完成のハニーボイス」です。発表時、なんてぴったりなんだ~!!と膝を打ちました。そうなんです。歌が最高なのです。

「ハニーボイス」の名前の通り、気持ちよく伸びる高音と、クリアでパワフルな声が特徴です。近年トレンドの「吐息交じりのウィスパーボイス」ではないですが、それがまた、ハーモニーに厚みをもたせてくれる存在です。

そしてゴヌくんは踊れます。体幹の整ったダンスは正確でキレもよし。歌って踊れるアイランダーとしてステージの中心メンバーでした。

 

パート1課題曲:Butterfly


[ENG] [I-LAND/4회] 세 번째 테스트_총대 유닛 ♬ Butterfly_I-LANDER 이건우 & 이희승 200717 EP.4

 

みどころ:課題曲はBTSの「Butterfly」です。華やかにリードするヒスンくんと、ゴヌくんの繊細なパフォーマンスが最高です。総代戦唯一の同級生ペアなのもアツイ。2:26の表情だけでも見てほしい。2:26です。2:26。

 

・ここに来た意味

アイドル練習生のサバイバル番組と聞くと、どんな様子を思い浮かべるでしょう?

今まで積み重ねてきた練習時間、犠牲にした青春時代、流したBlood Sweat&Tearsを捧げてパートを奪い合い…蹴落としあい…デビューを掴みにいくんだね!?と思いきや、そうでもありません。目立つパートはその分プロデューサー評価も厳しくなるので、練習生たちは挑戦に対しとても慎重です。パート決めは奪い合いではなくほぼ推薦です。

わたしがゴヌくんを推しまくる最大の理由。パフォーマンス力やキャラクターももちろんですが、自分で自分の物語を作れる人だからです。ゴヌくんはリスクを取ってでも主要パートや代表に挑戦します。だからI-LANDのどのシーンでも、何をしにここに来て、何のためにここにいるのかが明確でした。見ていてとても清々しいのです。オーディション番組にセットである「悪編」にまつわるいろいろなアレが、I-LANDにもありました。でもゴヌくんは、番組の編集の届かないところで一人鮮やかな物語を見せてくれたんですよね。しかも実力があるから説得力もある!そんなところが大好きだ~!!


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好きな食べものはバナナ。

 

変わったこと2020

・オーディション番組との心の距離

 昨年わたしが胸を焦がしたオーディション番組「リズムアンドフロー」は「今一番強えぇやつが勝つ」番組でした。大変分かりやすかったです。一方I-LANDには、異なる評価軸が存在しました。「成長の可能性」です。「成長の可能性」。なるほど!わからん。ウ、ウェーン…わかりませんでした…(涙)。推しに限らず「このパフォーマンス、いいぞ!」と思った子がプロデューサーに評価されないことが、こんなに苦しいものだなんて。オーディション番組あるあるなんですが、あまりに辛い。このもやもやした気持ちが大きくなるにつれ、また別の新たな感情が芽生えました。

 

・愛されるより愛したい、よりも

「推し、世界にめちゃくちゃ愛されてほしい!!」 という感情。友人に布教してカフェで推しのこと夜が明けるまで喋り倒したい以上の、もっと地球規模で熱烈にめちゃくちゃ愛されてほしいな~~!!という特大感情です。もちろんきっかけとして、番組の中で視聴者投票があったというのもあるのですが。もっと推しの素晴らしさを世界に説いて回りたい。でも、どうすれば。

 

 ・供給の途絶えた世界で

I-LANDが終わってから2ヵ月が経つ頃、脱落した練習生の情報はほぼ途絶えました。そうなってくると、誰かが呟く推しのツイートが新規の供給みたいな世界になってきます。ありがたい。とても心が温まります。それでもやっぱり見たくなる、新しい姿。

「オッケー、描こう」脳直で財布が開くタイプの人間なので、その日にタブレットを購入し、届いた日から描き始めました。


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推しの練習着を着せたシルバニアの赤ちゃん。

今まで見る専門だったファンアート、自分の手で推しを描く気持ちは、なんだろう、ちょっとまだ言葉で現わせないのですが。絵に限らず、ファンが愛を詰め込んだ文章・動画・手作りの品を見るのが大好きです。公式の供給に反応する刺激や楽しさとは違う、今は良い知らせを待つ祈りのような。K-POPを知ってからずっと好んできたファンアートですが、なんでずっと好きだったのか、その理由が分かった気がしました。

 

 おわりに

世界がすっかり変わった2020年。諦めたものを数えると溜息が出ます。ちょっとまだ総括できない感じです。

自分は諦めがいい人間だと思っていました。気持ちの切り替えが早くて、要領がいい(と自分で思える)自分が好きでした。でも本当に諦めたくないことに出会うと、何しても全然諦められないんですね。そこに要領も、生産性もありません。諦められないものと、諦めたいろいろを重ねると、自分が譲れないものがなんなのか、よく分かる一年でした。

2021年は諦めることが今年より少ないといいなと思います。わたしも、これを読んでくださってる人も、世界中の人も!2020年より沢山幸せになりましょうね。

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さてさて、ぽっぽアドベントはまだまだ続きます。4日目はShinoさんの番です。

クリスマスまであと22日!!

 

【お知らせ】I-LANDは現在Abemaプレミアムで配信中です。いつもは課金しないと全話見ることができませんが、なんと12/5(土)は24時間限定で全話無料配信だそうです。気になる方はぜひ!告知で締めてすみません!

 

追記(2021/6/26)

今日はI-LANDの初回放送日からちょうど1年。

 

ゴヌ、この夏ついにデビューします~~~~~~~!!!!!!

本当におめでとうゴヌ!!心からありがとうBluedot(Kakao系列の新設事務所)!!!

これからよろしくJUSTB(6人組ボーイズグループ)!!!I love you guys....もう既に愛してます。

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(左からサンウ、ドヨム、ゴヌ、JM、LIM JIMIN、ベイン)

 

I-LANDが終わり、勝者のENHYPENがデビューしたのが2020年11月30日。

I-LAND脱落者からの派生グループのデビューが公式発表されたのが2021年元日。

BigHit JAPAN(現HYBE LABELS JAPAN)のデビュー組ラインナップにゴヌがいなくて、もう2021年やめたいと思った正月から、2/3のセンイル(誕生日)翌日にTwitter開設。

そこから5月に突然デビューの噂が吹き荒れてからの公式発表!

6/30JUSTBとしてデビュー!!!

 

「自分の見た光を信じたい」その気持ちを信じて待ってて本当によかった。

 

JUSTB!!世界にめちゃくちゃ愛されような!!

 

デビューアルバム「JUST BURN」トレーラー

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デビューアルバム「JUST BURN」ハイライトメドレー

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